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2012年5月5日土曜日

雨の蒸発熱っていくら?

ブログで、物理ネタが少ないなーと常々思っていました。
今日は、会社でいいネタを見つけましたので、その紹介です。

会社で雨が原因でヒータの温度が上がらない現象がありました。
高温のフィンチューブに雨が降り、雨が気化し、その時の蒸発熱をヒータから奪うというものです。

蒸発する時は、相当の熱量を必要とする事は知っていますが、いつも実感がわきませんでした。
今回だいぶはっきり実感できるようになりました。

水の蒸発熱Qは、560kcal/kgです。
カロリーとジュールは等価で、1cal =4.186Jです。
計算を簡単にするため、1cal =4Jとすると、
水の蒸発熱Qは、2,240kJ/kgです。
このままだと全く実感できません。

電子レンジ700Wとか、ドライヤー1000Wとかよく目にします。
もしkJ/kgをkWに換算できればなんとなく実感できそうです。

W=J/sです。これは公式です。
ので先ほどの蒸発熱は、
2,240kJ/kg=2,240kJ/s*s/kg=2,240kW*s/kg=2,240kW/(kg/s)
となります。
kg/sの意味は、「1秒毎に1kgの水」の意味です。
ので、1秒毎に1kgの水を蒸発させるには、2,240kW必要となります。
これは相当大きいです。
2,240kW=2,240,000Wですので、1000Wドライヤーが、2,240個必要です。
2,240個もちょっと数字大きすぎて実感できません。

もっと実感湧くように、「1時間毎に1kgの水」に変更します。
1時間=3600秒ですので、3600秒で2,240kJ必要となります。
1秒では、2,240÷3600=0.62kJ/sで=620W必要になります。
620J/s=620Wですので、
もし620Wの電子レンジを使って、
1時間1kgの水を加熱すれば、全部蒸発することになります。
思っていたよりは、少ないエネルギーです。

検算してみます。
620W * 3600s =2232000J=2232kJ
間違いなく、水1kgが蒸発する、2,240kJ/kgです。(誤差あり)

電気代に換算してみます。
0.62kWh*20円/kWh=12.4円
こう計算してみると、電気代って意外と安いんですね。

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